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エミール・ガレの名品130点が箱根のポーラ美術館で一挙公開に


《水差「ギアナの森」》1903年頃_個人蔵

わが根源は、森の奥にあり

     ——エミール・ガレの工房の扉にかかげられた言葉

箱根にあるポーラ美術館で、3月17日からエミール・ガレの展覧会「エミール・ガレ 自然の蒐集」が開催され、名品130点が一堂に会する。同館でのガレ展は開館以来、初のこととなる。

《花瓶「海馬」》1901-1903年 北澤美術館蔵

エミール・ガレ(1846-1904)は、フランスのアール・ヌーヴォーを代表するアーティストで、植物学、生物学、鉱物学といった博物学的な知識をもち、精緻なガラス作品を制作し、現在もその作品に魅了されるファンが多い。ガレにとって植物の繁茂する「森」は、インスピレーションの源で、生命の神秘を象徴する存在として欠かせないものだった。ガレは他にも「海」に対して強い関心を寄せ、それまでの美術としてはあまりモチーフにされることのなかったクラゲやヒトデ、タツノオトシゴなど、海の生き物をデザインとして取り入れた。

《草花文耳付花器》1895年頃 ポーラ美術館

 今回は全国の美術館から集めた約70点と、ポーラ美術館が所蔵するコレクションから厳選した60点をあわせ、約130点が並ぶ。「森」と「海」というふたつのキーワードを通して、ガレの芸術を初期から晩年まで辿る。加えて、モネの《睡蓮》などの絵画も展示することで、分野をこえて盛り上がりをみせた芸術運動や時代背景も紹介する。また、博物学的な知識を有したガレにちなみ、博物学の視点からも展覧会が楽しめるよう、東京大学総合研究博物館所蔵の標本資料の展示のほか、さかなクン(東京海洋大学・名誉博士/客員准教授)や、植物の美しさを提案する植物屋「叢 - Qusamura(くさむら)」店主、小田康平氏のトークイベントも開催される。

会期:2018年3月17日(土)~7月16日(月・祝)(会期中無休) 開館時間:9:00~17:00(最終入館は16:30)

入館料:大人1,800円、シニア割引(65歳以上)1,600円、大学・高校生1,300円、中学・小学生700円

    ※団体割引は別途あり 主催:公益財団法人ポーラ美術振興財団ポーラ美術館 特別協力:東京大学総合研究博物館

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