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国内最古の可能性、666年前の刀剣書が発見され、佐賀県立博物館で展示中


佐賀県立博物館での展示の様子

国内最古と考えられる666年前の刀剣書が発見され、現在、佐賀県立博物館で刀剣書「銘尽(龍造寺本)」の原本と刀工「国行」「国光」「吉光(通称藤四郎)」の銘が刻まれた太刀等3点が佐賀県立博物館で展示されている。

刀剣書「銘尽(龍造寺本)」は南北朝時代の観応2年(西暦1351年)に制作されたもので、九州産業大学基礎教育センター吉原弘道准教授が佐賀県立図書館が収集・保存する古文書などの歴史資料約13万点の中から発見した。観応2年12月頃、室町幕府初代将軍足利尊の庶子・足利直冬に恩賞として旧領回復を訴えるため、直冬の陣中に滞在していた龍造寺家政が、直冬かその関係者が持っていた秘本の刀剣書を借用し、家政本人か周辺の人物が書き写したものと推定されている。

(観応二年)龍造寺家政申状土代[佐賀県立図書館所蔵]

今回発見された「銘尽(龍造寺本)」は、龍造寺家文書277点のうち2点の「申状土代(訴状の下書き)」の裏に書かれたもの。古代から中世の約280名にのぼる刀工の名前等が墨書で記されている。中にはこれまで現存最古の刀剣書とされていた「銘尽(観智院本)」(重要文化財、応永30年(西暦1423年)写、国立国会図書館蔵)に収録されていない刀工の名も含まれている

銘尽(上の申状土代の裏)[佐賀県立図書館所蔵] 

龍造寺家文書は佐賀県重要文化財に指定されているが、これまでこの裏書についての詳細な検討はされておらず、刀剣書として認知されていなかった。発見者の吉原教授は今回の研究について、日本古文書学会編『古文書研究』84号に論文「『銘尽(龍造寺本)』から見える中世刀剣書の成立とその受容-申状土代の裏に書写された現存最古の刀剣書-」を掲載する予定。

刀剣書「銘尽(龍造寺本)」(原本)展示公開

会期:2017年12月26日(火)〜2018年2月4日(日)

会場:佐賀県立博物館 2号展示室

開館時間:9時30分〜18時まで ※12月29日・30日・31日、2018年1月9日・15日・22日・29日は休館

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