誕生から100年を迎え今なお活発な活動を続ける美術団体「春陽会」。日本の近代洋画史に欠かせない画家たちも数多く所属し、彼らは西洋由来の油彩画を、日本の油絵として昇華するべくそれぞれの世界を展開していった。創立メンバーである岸田劉生、梅原龍三郎、小杉放菴、山本鼎、木村荘八、中川一政、萬鐵五郎、ヨーロッパの絵画を深く学び独自の静謐な世界を生み出した岡鹿之助、版画の長谷川潔、前田藤四郎、清宮質文、駒井哲郎ら春陽会を彩る約50名の100点を超す作品により、春陽会創立から戦後頃までの展開を辿り、日本の近代美術のひとつの流れを振り返る。
【目次】
・「春陽会誕生への序奏」文・木本文平
・「春陽会の戦後─ その『近代化』をめぐって」文・松本透
・「春陽会のDNA」文・入江観
・第1章 始動:第3の洋画団体誕生
・第2章 展開:それぞれの日本、それぞれの道
・第3章 独創:不穏のなかで
・第4章 展望:巨星たちと新たなる流れ
・「中川一政が見た木村荘八─ 異質なる二人」文・田中晴子
・「戦前期の春陽会の『日本人の絵画』への志向─ 同時代の批評から」文・木村理恵子
・「長野における春陽会の研究会活動─ 鹿苑会を磁場として」文・鈴木幸野
・「『愛美社』から『中部春陽会』へ─ 大澤鉦一郎の活躍について」文・田邉咲智
・「資料解説─ 手紙で瞥見、戦時中の春陽会」文・原田光
・作家・作品紹介
・主要参考文献
・作品目録
・春陽会略年譜
春陽会誕生100年 それぞれの闘い 岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ
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