

【気になる1点】戸谷成雄《森Ⅳ》:世田谷美術館コレクション選 緑の惑星 セタビの森の植物たち@世田谷美術館
戸谷成雄《森 IV》1991-1992年 木 植物、自然、花は古くから美術のモチーフに使用されてきました。現在、世田谷美術館では、植物をテーマとした所蔵作品約130点を展示した「世田谷美術館コレクション選 緑の惑星 セタビの森の植物たち」が開催されています。日本画、洋画、工芸、彫刻、そして現代美術、ジャンル毎に別に並ぶのではなく、[森林][風景][庭園][花園][楽園]と5つのテーマに沿って配置されたちょっと珍しい展示です。アンリ・ルソーと向井潤吉や、アンドレ・ボーシャンと三岸節子など、意外な取り合わせに思いますが、逆に、それぞれが響き合って、新しい魅力にも気付かされる展覧会です。 今回の「気になる1点」は、展覧会の入口をはいってすぐに目に飛び込んでくる戸谷成雄さんの《森IV》です。2メートルを超す木彫の柱が並んでいます。それぞれ、チェーンソーによって彫り込まれていて、屈曲する無数の線が生み出されています。不思議なリズムとエネルギー、大地から栄養を吸収し、成長していく植物の生き様、そしていつか朽ち果てる日まで、連綿と紡がれていくいのちの記憶。一つ


【気になる1点】ペドロ・デ・メナ《アルカラの聖ディエゴ》:国立西洋美術館で「西洋絵画、どこから見るか?―ルネサンスから印象派までサンディエゴ美術館 vs 国立西洋美術館」(どこみる)が開幕
手前:ペドロ・デ・メナ《アルカラの聖ディエゴ》1665-70年 サンディエゴ美術館 ルネサンス初期を代表する画家の一人、ジョットの《父なる神と天使》や、現存する作品がきわめて少ないジョルジョーネによる《男性の肖像》、そして静物画の名品として世界的に名高いフアン・サンチェス・コターンの《マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物》など、西洋美術史を網羅した作品が並ぶ「西洋絵画、どこから見るか?―ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館 vs 国立西洋美術館」(どこみる)が上野の国立西洋美術館で開催されています。18世紀のフランスではまだ珍しかった女性画家マリー=ガブリエル・カペによる麗しの自画像や、ごく最近まで歴史の闇に埋もれていたヤコーブス・フレル《座る女性のいる室内》などもあり、貴重な作品が並ぶ展覧会となっています。展覧会タイトルに「西洋絵画」とあるとおり、名だたる絵画作品が並んでいますが、その会場の一角にひっそりと、ペドロ・デ・メナ《アルカラの聖ディエゴ》がありました。高さ61.5cmのこぶりな彫刻ですが、静かに強い存在感を放っていま


【気になる1点】齋藤大《キャンプファイヤ》:FACE展2025@SOMPO美術館(〜3/23)
年齢・キャリアを問わず、新進作家を応援するコンクール「FACE展」。現在、SOMPO美術館では「FACE展2025」が開催されており、入賞を果たした57点(うち受賞作品9点)が展示されています。今回は全国から最年長97歳から最年少8歳までの1312作品が出品されました。入選倍率は過去最高の23倍となった今年、まさに激戦をかいくぐって大賞を受賞したのが齋藤大さんの《キャンプファイヤ》です。 齋藤さんは2001年宮城県の出身で、2024年に東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画コース卒業した後、現在は東北芸術工科大学芸術文化専攻絵画研究領域に在籍されています。《キャンプファイヤ》は自身のキャンプ体験から、日常生活とは異なる自然のなかに身をおき、そこで体感した孤独感や何かしらの恐怖感といったものがインスピレーションとなっているそうです。画面は白やところどころ朱色、緑、青といった色彩が含まれたダイナミックなストロークがおかれた空と、対照的に形象をしっかりととらえた山々の連なる大地から構成されています。赤く染まる大地は、キャンプファイヤの炎を連想させ、そこから


【気になる1点】《プタハ神の像を手にしたカエムワセト像》@ACN ラムセス大王展 ファラオたちの黄金、本日から豊洲のラムセス・ミュージアムで開幕
プタハ神の像を手にしたカエムワセト像 珪岩 新王国時代、第19王朝 エジプト博物館 豊洲のラムセス・ミュージアム at CREVIA BASE Tokyoで、古代エジプト史上「最も偉大な王」とされるラムセス二世(Ramesses II、紀元前1303年頃 - 紀元前1213年頃)とその時代にまつわる日本初公開を多数含む至宝が約180点ほど勢揃いしたラムセス大王展が本日開幕しました。特にラムセス2世の棺はが蓋と本体そろって展示されるまたとない機会となっています。 そうした並み居る展示品のなかで、《プタハ神の像を手にしたカエムワセト像》は、そこまで大きなものではありませんが、簡略化された素朴な造形と正面性、アルカイックスマイルを浮かべた穏やかな表情、静謐な精神性を持った美しい像でした。 この像のモデルはラムセス二世の第4王子で、メンフィス地区でプタハ神の最高司祭を務めたカエムワセト。宗教的にも政治的にも大きな影響力を持っており、晩年にはメンフィス知事や王太子を務めました。残念ながら父ラムセス二世よりも先に亡くなったため、王位につくことはありませんでし











