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古きものと新しきものの響き合い 「古典×現代2020 時空をえる日本のアート」


左:葛飾北斎《富岳三十六景 神奈川沖浪裏》江戸時代・19世紀 和泉市久保惣記念美術館 右:しりあがり寿《ちょっと可笑しなほぼ三十六景 太陽から見た地球》2017年 作家蔵


縄文の焼きものからの古い歴史を持つ日本の美術。日本の現代アートの作家達も少なからず、あるいは無意識にその美の源泉に触れ、その影響を受けていると考えられる。「古典×現代2020 時空を越える日本のアート」展では、江戸時代以前の絵画や仏像、陶芸や刀剣の名品を、現代の作家8名の作品と対になるように組み合わせ、8つの展示室で紹介(会期中展示替えあり)。



展覧会場となる国立新美術館はこれまで近現代美術を中心に展覧会を開催してきたが、今回は世界最古の美術雑誌「國華」の刊行をてがける国華社との共同キュレーションにより、初めて本格的な古美術の展示を試みる。現代アートは美術のみならず、建築、デザインと幅広いセレクション。近世以前の美術も絵画、彫刻、陶芸から刀剣までと多様。古きものと新しきものの競演がどのような響き合いを見せるのか、注目が寄せられる。


【出品作品】

・花鳥画×川内倫子 

  若冲や南蘋派の絵師達の花鳥画と、写真家・川内倫子のシリーズ〈AILA〉、〈Halo〉


・刀剣×鴻池朋子

  室町時代の〈銘 兼房〉など鎌倉から江戸期にかけての太刀や短刀と、動物の皮を縫い合わせた24mの幅をもつ鴻池の《皮緞帳》

左:刀 銘 兼房 室町時代・16世紀 個人蔵 右:鴻池朋子《皮緞帳》2015年 高橋龍太郎コレクション蔵 ©Tomoko Konoike


・北斎×しりあがり寿

  北斎の〈富嶽三十六景〉と、しりあがりによるパロディ〈ちょっと可笑しなほぼ三十六景〉に加え新作も出品される予定


・仙厓×菅木志雄

  江戸時代の臨済宗の画層・仙厓による《円相図》と、それに呼応する菅の《支空》の再制作に加え新作を発表予定


左:仙厓義梵《円相図》江戸時代・19世紀 福岡市美術館蔵(石村コレクション) 右:菅木志雄《支空》1985年 作家蔵 撮影:菅木志雄


・円空×棚田康司

  諸国をめぐり約12万本の仏像を彫ったと言われる江戸期の僧・円空の初期から晩年までの仏像や神像と、少年少女の多感な姿を掘り起こす棚田の初期から新作まで




・仏像×田根剛

  場所や土地の記憶を徹底してリサーチし未来の建築を模索する建築家・田根は滋賀を訪れ古刹西明寺の《日光菩薩立像》、《月光菩薩立像》を配置する空間そのものを作りで出す予定

左:《月光菩薩立像》 中央:《日光菩薩立像》2点ともに鎌倉時代・13世紀 滋賀・西明寺蔵 右:田根剛《エストニア国立博物館》2006-16年 ©Takuji Shimmura | Image courtesy of DGT.


・乾山×皆川明

  江戸時代に斬新・モダンな造形美を生み出した陶工・乾山の器とともに、良質なデザインを身近なものとするライフスタイルを提唱する「ミナペルホネン」の主宰・皆川明のテキスタイルなどを展示


左:尾形乾山《絵百合形向付》江戸時代・18世紀 MIHO MUSEUM蔵 撮影・越田悟全 右:minä perhonen《ring flower》2005-06年 秋冬コレクション 


・蕭白×横尾忠則

  元祖アバンギャルドの名を欲しいままにする蕭白の真景図などと、まさに現代のアバンギャルド・横尾忠則の蕭白に着想を得た新作など




展覧会Information


会 期:2020年3月11日(水)~6月1日(月) 毎週火曜日休館    ※ただし、5月5日(火・祝)は開館、5月7日(木)は休館開館時間10:00~18:00    ※毎週金・土曜日は20:00まで    ※5月30日(土)は「六本木アートナイト2020」開催にともない22:00まで    ※入場は閉館の30分前まで

会 場:国立新美術館 企画展示室2E

   〒106-8558東京都港区六本木7-22-2


主 催:国立新美術館、國華社、朝日新聞社、

観覧料(税込):当日1,700円(一般)、1,100円(大学生)、700円(高校生)

        前売/団体1,500円(一般)、900円(大学生)、500円(高校生)

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