2018年夏、中部国際空港セントレアに複合施設「フライト・オブ・ドリームズ」オープン、チームラボが体感型コンテンツ空間をプロデュース
2018年夏、中部国際空港セントレアに新複合商業施設「FLIGHT OF DREAMS(フライト・オブ・ドリームズ」がオープンする。ボーイング787初号機(ZA001)の展示をメインとした世界にひとつしかない施設となる。飛行機の屋内実機展示と商業施設が併設した複合施設は世界でもまれなケース。航空機をテーマとした体感型コンテンツ空間は、近年とみに国内外で活躍がめざましいウルトラテクノロジスト集団チームラボが手がける。また、アメリカンハンドクラフトビールの草分け的存在で醸造所を併設するシアトル屈指の飲食店「THE PIKE BREWING RESTAURANT & BAR」といった、ボーイング創業の街シアトルの人気ブランドが日本初上陸、米国外初となるボーイングストアも設置される。
12月4日に東京で行われた記者発表では4つのコンテンツ、ANAがスポンサーをつとめる「超体感演出(仮称)」「お絵かき飛行機(仮称)」およびJALがスポンサーの「紙ヒコーキを飛ばす(仮称)」「お仕事体験(仮称)」が発表された。
1、超体感演出(仮称)
ボーイング787初号機(ZA001)実機と空間全体を使ったプロジェクションマッピング。
チームラボの猪子寿之代表取締役は「本物の飛行機がおかれる場所で、壁、床全体を使ってプロジェクションマッピングを行う。鑑賞者は四階から見ることができる。その時にはまるで実機の飛行機が大空を飛んでいるかのような体験ができる映像空間になればいいなと思っている」と語る。
2、お絵かき飛行機(仮称)
来場者が描いた二次元の飛行機が、立体的にドーム空間内の空を飛び回る。タブレットを使うと操縦することもでき、楽しみながら飛行機が飛ぶ仕組みを学ぶことができる。
「実際の紙にクレヨンで好きな絵を描いてもらう。その描いた飛行機が空を飛ぶコンテンツ。人間の目の錯覚を利用したもので、実際の空気中に自分が描いた飛行機が立体になって飛ぶように感じる空間。タブレットで開くと、自分が描いた飛行機にのるパイロットの視点で飛行機を操作できる。全体の視点と飛行機にのった視点が共存するようなコンテンツを作りたい」(猪子氏)
3、紙ヒコーキを飛ばす(仮称)
紙ヒコーキを折って光のゲート空間に飛ばし、飛行機が「飛ぶ」仕組みの理解を深める。飛距離によって音や色が変わり、その時その場でしか味わえない演出が楽しめる。
「自分で手を動かして紙ヒコーキを工夫しながら作り飛ばしてみることで、飛行機が飛ぶことの理解を深めたり、乗ること自体に興味を持っていただける、楽しいだけでなく教育的側面をもつコンテンツ。僕自身も飛行機の物理的作用、空気との関係なども興味深く思っていて、小さい頃には紙飛行機をいくつも作って外で飛ばして遊んだ。今は都会でやると怒られてしまうかもしれないので、ぜひこのコンテンツで子供達には思いっきり紙ヒコーキを飛ばしてもらいたい。実際に飛ぶ空間はレーザーで包まれたような空間で、紙ヒコーキが通ると音が鳴ったり、色が変わる。他のひとの飛ばした紙ヒコーキの音や光ともあわさって、音楽を奏でていくような空間にしたい」(猪子氏)
4、お仕事体験(仮称)
パイロットやキャビンアテンダント、整備士といった航空会社の仕事をヴァーチャルに体験できるような空間。
左が中部国際空港株式会社の友添雅直代表取締役、その右がチームラボの猪子寿之代表取締役
中部国際空港株式会社の友添雅直代表取締役社長は、
「建設は着々と進み、来年夏頃、当初の予定通りに完成する。展示エリアは一階にあり、10ほどのコンテンツを用意しているが、そのうちの一部のスポンサーを全日本空輸株式会社(ANA)、日本航空株式会社(JAL)にお願いすることになった。超体感演出ということで光と音を使って体感させる空間や、紙ヒコーキを折り紙で実際に作って飛ばすといったもの、航空関係の仕事を体験するコンテンツも考えている」「リアルとヴァーチャルの融合で空への夢を育み、ふれあいができるような展示ができればと思っている。受け身的にものを見る学ぶのではなく、能動的に参加することで自分の体に記憶し吸収することができる。そういう点からたいへん楽しみなコンテンツになると期待している。チームラボの猪子社長が作るエキサイティングなヴァーチャルな世界は、子供だけでなくもちろん大人も楽しめる。国内だけでなく海外の方にも楽しんでいただける施設になればと思う」と述べた。
なお、来年夏の完成までに、様々なイベントも催されることになっている。その中でも、ボーイング787(ZA001号機)の大移動は、同機を現在の駐機場所から約900メートル離れた建設中の「FLIGHT OF DREAMS」内へと移動させる。移動経路途中の臨時駐車場で一時駐機し、参加者が同機を間近いに見学、撮影できるイベントは12月17日11時30分頃から行われる。詳細は12月8日にFLIGHT OF DREAMSのオフィシャルサイトで発表される予定。
また来年2月17日にはJALと共催でボーイング787型機のスペシャル見学会も予定されている。セントレアで運行中の期待(セントレア発着のバンコク便を予定)を間近で見学できるとともに、現役パイロットによる航空教室も予定されている。募集はJALオフィシャルサイトおよびFLIGHT OF DREAMSのオフィシャルサイトで1月中旬頃発表される。
場所:中部国際空港セントレア内
概要:展示エリア<1階・4階>
ボーイング787初号機(ZA001)の実機を展示。航空機産業や航空業界について楽しく学べる体感型コンテンツを設置
商業エリア<2階・3階>
ボーイング創業の街・シアトルの街並みをイメージした商業エリア。シアトル人気の飲食店や物販店を展開