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絵画も漫画もイラストも! タイガー立石の過去最大規模の個展「大・タイガー立石展 POP-ARTの魔術師」が4月10日から千葉市美術館でスタート


《富士のDNA》1992年 courtesy of ANOMALY

絵画や陶彫、マンガ、絵本、イラストなど、ジャンルを縦横無尽に横断しながら独創的な世界を展開したタイガー⽴⽯(⽴⽯紘⼀、こと⽴⽯⼤河亞[1941-98])。1998年4月に56歳の若さでこの世を去り、没後20年が過ぎ、今年は生誕80年を迎える。56 歳という若さで亡くなった立石の世界は、まさにミラクルワールド。今もなお新鮮な感覚を鑑賞者にもたらしている。

4月10日から千葉市美術館では、約200点の作品・資料を集めた大回顧展「大・タイガー立石展 POP-ARTの魔術師」が開幕することになった。



《立石紘一のような》1964年 高松市美術館蔵

立石は1941 年12 月、九州・筑豊の伊⽥町(現・福岡県⽥川市)に⽣まれ、⼤学進学のために上京。63 年に「読売アンデパンダン」展へ出品、翌年には中村宏(1932年⽣)と「観光芸術研究所」を結成した。時代や社会を象徴する⼈物やイメージなどを多彩に引⽤して描かれたその作品は、和製ポップ・アートのさきがけとして注⽬を集めた。また「タイガー⽴⽯」のペンネームで、雑誌や新聞にナンセンス漫画の連載をもつようにもなった。60 年代末から多くの⼦どもたちが⼝にした「ニャロメ」ということばは⾚塚不⼆夫(1935-2008)と交流があった彼の造語だった。




『とらのゆめ』より原画 1984年 個人蔵

1969 年にミラノへ移住すると、マンガからヒントを得たコマ割り絵画を精⼒的に制作する⼀⽅、デザイナーや建築家とのコラボレーションで数多くのイラストやデザイン、宣伝広告などを⼿がけた。帰国後、90 年以降になると「⽴⽯⼤河亞」の名で絵画や陶彫作品を、「タイガー⽴⽯」としてマンガや絵本を発表した。立石の作品には、セザンヌやダリ、キリコ、高橋由一、岸田劉生など美術史へのオマージュともいえるモチーフや、毛沢東や西郷隆盛、三島由紀夫といった歴史上の著名人などがひそかに描かれている。絵を見ることで、そこに刻まれた様々なそれらのモチーフから、立石が伝えたかったものを鑑賞者が自由に考えていくことができる。


《昭和素敵大敵》1990年 田川市美術館蔵

今回の展覧会は、17歳の頃に描いた作品から、明治、大正、昭和という日本近代を総括する大画面三部作や、現代のグラフィティにも通じる《立石紘一のような》、全長約9 mの絵巻物《水の巻》、そして遺作まで、200 点を超える作品・資料が一堂に会する貴重な機会となっている。




会  期 2021年4⽉10⽇(⼟)―7⽉4⽇(⽇)

開館時間 10:00−18:00(金・土曜日は20:00まで) ※入場受付は閉館の30分前まで

休 室 日 5⽉6⽇(⽊)、5月24日(月)、6⽉7⽇(⽉)

観 覧 料 一般1,200円(960円)、大学生700円(560円)、小・中学生、高校生無料

     ☆ナイトミュージアム割引:金・土曜日の18時以降は観覧料半額 

     ☆本展チケットで、5 階常設展⽰室「千葉市美術館コレクション選」も観覧可能

     ※各種割引については、千葉市美術館のホームページを参照のこと




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