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エコール・ド・パリを代表する画家の一人、レオナール・フジタの色彩の変遷に焦点を当てた「フジタ ― 色彩への旅」展が4月17日から箱根のポーラ美術館で開幕


マドレーヌ・ルクー《フジタの肖像》1931年 メゾン=アトリエ・フジタ

1920年代にパリの女性をモデルに「乳白色の肌」の技法を完成させ、 パリ画壇の寵児となったレオナール・フジタ(藤田嗣治、1886-1968)。ユトリロやモディリアーニ、パスキン、ローランサンなどとともにエコール・ド・パリを代表する画家の一人として世界的に人気が高い。4月17日から箱根のポーラ美術館でスタートする「フジタ ― 色彩への旅」展では、乳白色の肌を完成させた後、旅によって新たなモティーフや群像表現のための構図と、色彩豊かな表現手法を開拓していったフジタの、旅と色彩の変遷が約220点の作品からひもとかれる(会期中展示替えあり)。


フジタといえばやはり「乳白色の肌」で描かれた女性像や猫などを思い起こすが、実は1930年頃から世界各地で色彩豊かな作品を数多く描いている。とくに1930年代前半から中頃までに訪れた中南米や日本国内、中国では、その土地の歴史や風俗、民具、建築などに深い関心を寄せ、現地でのスケッチや旅先で撮影した写真、 自ら収集した民俗資料などを画面に取り込んでいった。そうした旅先でフジタの琴線に触れ、インスピレーションの源になったともいえる旅先での蒐集品や、自ら撮影した写真も展示となる。


また今回の展覧会には2019〜20年度にポーラ美術館が新たに収蔵したフジタ作品3点(《坐る女》、 《イヴォンヌ・ド・ブレモン・ダルスの肖像》、連作「小さな職人たち」の中の1点である《猫のペンション》)が初公開されることも見逃せない。


《坐る女》と《イヴォンヌ・ド・ブレモン・ダルスの肖像》はいずれも「乳白色の肌」の手法による油彩画。特に1921年制作の《坐る女》は「乳白色の肌」の技法の初期の頃の肖像画で、1922年のサロン・デ・ザンデパンダン展に出品された可能性が高く、フジタの初期を代表する作品の一つ。


《猫のペンション》が含まれる連作「小さな職人たち」は、フジタが戦後に暮らしたパリのアパルトマンの壁を飾るために制作された色彩豊かな壁画。15㎝四方の各パネルに、愛らしい子供やパリの職業人たちに扮した人々が油彩で描かれている。この壁画は115点ほどからなり、そのうちの96点をポーラ美術館が収蔵している。今回の展示ではこの96点すべてが一挙公開となる。






会  期:2021年4月17日(土)ー 2021年9月5日(日) ※会期中無休

会  場:ポーラ美術館

開館時間:9:00~17:00(最終入館は16:30)

入館料 :大人1,800円、 シニア割引(65歳以上)1,600円(他の割引との併用不可)

     大学・高校生1,300円、 中学生以下 無料

     ※団体15名様以上割引 ※上記料金で常設展示も観覧可能

問合せ :0460-84-2111


■同時開催

[HIRAKU Project vol. 11]

・岡田杏里「Soñar dentro de la tierre/土の中で夢をみる」




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